摂食嚥下障害治療に欠かせない姿勢調整の効果

藤田医科大学医学部リハビリテーション医学Ⅰ講座 柴田 斉子先生。

摂食嚥下障害の治療戦略1)誤嚥防止2)食塊の取り扱いの改善 食塊形成・送り込み・残留3)栄養状態改善である。

摂食嚥下障害治療のポイントとして適格な評価に基づく治療戦略1)嚥下モデルを理解する。代償手段を最大限に活用する。3)機能向上の為の適切な訓練を実施する。4)直接訓練中の肺炎を想定内にとどめる。

摂食嚥下障害の治療体系1)代償手段(姿勢調整・食物物性・嚥下モデル・一部の嚥下手技)2)機能改善(一部の嚥下手技・筋肉増強)

頭部屈曲位1)頭部屈曲(後頭骨と頸椎1~2番、あごを後ろに引く。適応:咽頭期嚥下開始の遅れ、舌根部後退の減弱、喉頭閉鎖不良を認める場合)2)頚部屈曲(頸椎3~7番、お辞儀をする。喉頭蓋谷が広がる。3)頭頚部複合屈曲(おへそをのぞき込むようにする。喉頭蓋谷を広げ喉頭口を喉頭蓋が覆うようにする。)4)頭伸頚屈位(頭部は屈曲し頚部は突き出す、ワレンベルグ喉頭つり上げ術後)5)頭頚部伸展位(喉頭口が広がり誤嚥し易い。)

食道入口部開大時間・健常者・マノメトリー 頭部屈曲<頭頚部屈曲<ニュートラル<頚部屈曲長くなる。

リクライニング位:重力の作用で食塊の送り込みがよくなる。喉頭蓋谷残留は減少するが、梨状窩残留は増加する例もある。

リクライニングと頭部回旋と体幹回旋の組み合わせ:重力を考える。