アルツハイマー型認知症の嚥下障害


アルツハイマー型認知症(1)

100歳女性。アルツハイマー型認知症で手引き歩行出来るが言葉の意味は殆ど分からない。介護抵抗は殆どなく総義歯の着脱もさせてくれた。誤嚥性肺炎で退院後ペーストから形態アップの依頼。ペーストでは食が進まないようだ。玉子豆腐を食べてもらったが2~3回の咀嚼様運動で咽頭内に侵入した。惹起は悪なく喉頭蓋の戻りが悪い割には咽頭クリアランスは良好。家族、施設にはリスクがあることを説明して一口大を提案。

 


アルツハイマー認知症(2)

87歳男性。家族より食事形態を上げる事を希望。咽頭内早期流入で惹起遅延の状態。動きも緩慢で指示も全く入らない。半年前の誤嚥性肺炎の既往を含め無理しないほうが良いと説明。


アルツハイマー型認知症(3)

83歳男性。施設より食事と食事の間でむせるとのこと。薬を飲む、口腔ケアでも同様。咽頭内早期流入、惹起やや遅延の状態。家族は普通食、施設はペースト食。このような乖離はよくある事。施設でも食べれるからおやつは饅頭。薬は水。うがいも水。

理論を説明して施設に理解してもらう。食事はあら刻み、おやつも同様。薬はとろみ水。うがいは上を向かせない事と歯ブラシスポンジは水を切る。唾液嚥下がないので1時間ごとに水分一口飲んでもらって少し改善した。