嚥下の正常と症例


嚥下内視鏡検査 正常

■正常嚥下

60歳男性、バナナを指示なく食べてもらいました。舌根部の大きな動きが食塊形成を伴う咀嚼運動です。口腔内保持も良く咽頭クリアランスも良好です。

 


■正常嚥下 プロセスモデル

60歳男性、バナナを良く噛んで食べてもらうよう指示しました。咀嚼、15回ほどで咽頭内流入が始まり27,8回で惹起しました。厳密なプロセスモデル(水分+固形物)ではありませんが5期モデルでは説明がつかないケースです。逆に歯ごたえのあるもの、良く噛んで食べる人はプロセスモデルで食べています。

 


■ガラガラうがい

25歳女性。嗽はガラガラでもぶくぶくでも口腔内を綺麗にすることにはあまり変わらないと思います。戸原先生に質問したらVEされていました。喉頭蓋の先端ぐらいまで水流は来ているそうです。咽頭内の衛生にどれだけ寄与しているかは微妙だと思います。ただガラガラうがいは頸椎の運動及び協調運動の維持強化につながります。咽るまでさせる事はないと思います。皆さんも経験があると思いますが、認知機能の低下でガラガラうがい→ぶくぶくうがい→ただ口に含んでだす→飲んでします。という経過をたどる事が多いです。もちろん麻痺で出来ない事もあります。


■鼻呼吸と口呼吸

25歳女性。最初は鼻呼吸です。舌は後方に盛り上がり軟口蓋は降りて呼吸路は咽頭から鼻に抜けています。後半は口呼吸です。舌のボリュウームはなくなり軟口蓋は挙上して呼吸路は咽頭から口に代わっています。摂食嚥下で問題は食物の口腔内保持のコントロールが出来なくなることです。プロセスモデルでは軟口蓋の挙上はなく食塊が運動で少しずつ咽頭へ降りて行く感じです。歯科治療や口腔ケアでこの状態になると水のコントロールが出来ないとむせます。少量では側方路に上手く抜ければよいですが喉頭蓋を乗り越えるタイプや披裂喉頭蓋ヒダが低いと咽ます。


病気と嚥下障害の症例