2023/04/25
大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能治療学教室 准教授 野原 幹司先生 嚥下障害で一番多い原疾患は脳卒中で急性期をから回復期をえてプラトーにいたる。慢性期に至った機能障害は原則治らない。機能維持のために訓練は必要だが回復にはつながらない。ざっくりいうと廃用に関しては訓練で回復するが、慢性期の機能障害は難しい。認知症やパーキンソンなどの進行性疾患に対しての対応をどうするか。進行性疾患に対してキュアからケアへ。訓練から支援へ。認知症の嚥下障害はその原因疾患で出方が違う。アルツハイマー型認知症のエピソード記憶の障害は絶対で否定しても始まらない。逆にレビーは病識がある人もいるので注意する。見当識障害は時間、場所、人物の順。視空間認知障害は頭頂葉の血流障害と言われている。 アルツハイマーは食行動の障害(食べない、飲み込まない)、レビーは嚥下障害(ムセ、誤嚥性肺炎、窒息)。
2023/02/07
愛知学院大学 心身科学部健康科学科 准教授 牧野 日和先生。嚥下食基準はサンプリングで副菜主食液体の細かく分けるが実際は4~7種類が限界。嚥下食基準に沿って作って、手元調整で合わす。1.食べる支援がもたらすもの・健康を維持増進・理想の体を作る・疾病や感染等の予防治療に必要な栄養素をえる・その人らしさを維持・心の豊かさや満足感をもたらす。人間関係形成やコミュニケーション・社会とのつながりを形成維持。2.食べられなくなる原因:悩み・食として認識できない・疾患・老化・フレイル・貧困3. 予防日ごろから健康を保ち・病気にならないよう予防する・治療やリハビリテーション・人生最終段階でも、出来るだけ食べる。4.食形態を対応させるという食支援5.嚥下調整食の設定の考え方。誤嚥や窒息、配線のリスクを下げる。摂食嚥下や消化機能等を維持する。
2023/01/18
東京歯科保険医協会会長 坪田 有史先生。メタルによる歯冠修復の問題点。1.審美障害と金属アレルギー:メタルの露出・オペークによる透明感の消失・歯質の変色・歯肉の変色・ブラックマージン。2.メタルフリー関節歯冠修復:セラミック系歯冠修復材料・レジン系歯冠修復材料・レジンコア・ファイバーポストレジンコア。クラウン側:1.サンドブラスト2.エッチング3.シラン処理(マルチプライマー)4.プライマー(Gセムワン)5.セット。ビューティボンド。マージン形成はラウンドショルダーかディープシャンファーで厚みは1mm以上軸面1.5mm以上咬合面は1.5~2.0mm。
2023/01/04
新潟大学医歯学総合病院摂食機能回復部 鈴木 拓先生。1.舌は接所嚥下過程において食塊形成と移送の中心的役割をはたしている。2.神経変性疾患患者において、最大舌圧は食形態のけっての指標となり得る。3.ALS患者において、最大舌圧は嚥下動態と関連する。MSAは小脳型とパーキンソン型ALSは四肢型と球麻痺型に分類した。JMS舌圧測定器を用い前後方3回ずつ行う。最大舌圧、舌圧発揮可能持続時間ともに摂食嚥下障害と関連していた。特に舌後方部の舌圧測定値が、接所嚥下障害を効果的に予測できる可能性が示唆された。
2022/12/16
東京慈恵会医科大学精神医学講座 繁田 雅弘先生。アルツハイマー型認知症においてBPSDとよばれつもの。1.知覚:厳格、幻視、幻聴2.思考内容:妄想、念慮、猜疑、誤認3.意欲:自発性低下、アパシー、無為4.制御抑制:不適切な行動、食欲・摂食障害5.睡眠覚醒リズム:昼間の傾眠、夜間の不眠5.感情:抑うつ、不安、易刺激性、焦燥6.行動:不穏、拒絶、攻撃性、暴言、暴力、徘徊、多動、拒否。認知症の自覚症状(アルツハイマー型認知症を例に)戸惑い・不安・自責感・焦燥感・被害間・気分が沈む・悔しさ・やる気が出ない・気分感情の変動。精神療法の要点1.本人にたいして誠実である。2.意思を引き出す。3.病気に対する認識を意識する。4.陰性勘定を話題に取り上げる。5.努力や忍耐に敬意を払い称える。6.生きがいや過去の達成感を言語化してもらう。7.自分のニーズに気づいてもらう。8.身体感覚に関心を向けてもらう。9.本人の力になりたいという家族の思いを本人に伝える。10.ほめるのではなくともに喜ぶ。
2022/12/01
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科摂食嚥下リハビリテーション科 小森 彩加先生 緒言:現在、嚥下造影検査と嚥下内視鏡検査が嚥下検査として広く用いられている。いずれの検査においても食塊を立体的に観察することは困難。4次元CT画像は食塊の通過経路を立体的に抽出し、任意方向から動きを確認すことが可能。解析した画像を背面から観察すると、前7例中6例で咽頭通過時に食塊の流れが左右方向へ変化していることが確認できた。残り異例は従来考えられていた通り、咽頭において食塊は正中に沿って通過し食道へと流入した。 
2022/12/01
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 摂食嚥下リハビリテーション学分野 須佐 千明先生。咀嚼嚥下の解析:4次元CTによる画像描出により口腔・咽頭領域を立体的に評価することが可能になった。軟組織の描出が十分出来ない。咀嚼中の食塊と軟組織の関係を描出できない。目的:開発中の4次元CTの分割方法を活用し、咀嚼嚥下中の食塊の移動と口腔・咽頭の組織運動の両方を可視化する。健常者レベルではあるが咀嚼中の舌と軟口蓋の動き、ポーラスが中央から右側の食道入口部を通る様子、喉頭蓋の反転後の動き、甲状軟骨の動きなどVFではよくわからなかった動きが観察された。
2022/11/28
東京曳舟病院 田村 友美先生。吃逆とは原始反射の一種。胎生期に鼻咽頭部の異物を除去するために必要な運動。出生後GABAを介する中枢性の抑制を受け、見られなくなる。健常者でも日常的に一過性に経験する。延髄経由の多シナプス性の不随意反射でミオクローヌスの一種と考えられている。孤束核に入った感覚刺激が延髄網様体にある中枢パターン形成を経て横隔神経、迷走神経へ出力され、それぞれ横隔膜、声門を通して吸気運動と声門閉鎖運動が協調して起こり吃逆が生じる。呼吸筋の間代性痙攣によって急激に吸気が気管内に入り声帯筋が収縮し、閉鎖した声帯を呼気が通過するためヒクッという音声を一定間隔で発する。
2022/11/27
社会医療法人若弘会わかくさ竜間リハビリテーション病院リハビリテーション料勝田 有梨先生。喉頭所見1)喉頭蓋浮腫4段階 正常:喉頭蓋及び披裂披裂喉頭蓋ヒダともに認めない。1.披裂・喉頭蓋ヒダに腫脹を認めず喉頭蓋腫脹だけを認める。2.喉頭蓋腫脹に関わらず、片側の披裂・披裂喉頭蓋ヒダの腫脹を認める。3.喉頭蓋腫脹に関わらず両側のひれつ・披裂喉頭蓋ヒダの腫脹を認める。披裂部浮腫5段階 0.披裂部に浮腫を認めない。1.披裂部浮腫を認めるが輪状後部は開存。2.披裂部浮腫を認め輪状後部は閉鎖。3.浮腫により梨状陥凹が呼吸時閉鎖、発声時開存。4.浮腫により梨状陥凹が呼吸時、発声時ともに閉鎖。
2022/11/24
兵庫医科大学医学部歯科口腔外科学講座 岸本 裕充先生 オーラルマネジメントcreate 1.cleaning:清掃(器質的口腔ケア2.rehabilitation:リハビリ(機能的口腔ケア) 3.education:教育(歯磨き、トロミ付与)4.assesssment:評価5.treatment:歯科治療5.eat/enjoy:食べる楽しみ。オーラルマネジメントによる食道がんの術後肺炎予防の効果は1/5に減少。口腔清掃しても肺炎が減らない。口腔清掃で筋が飛散(回収不良)で咽頭の菌が増量し誤嚥・タレコミ時のリスク増大する。口腔清掃後に咽頭部の菌が増える事もある。47例中7例で見られた。口腔乾燥の原因:唾液分泌の減少(禁食・脱水・薬剤の副作用・放射線・自己免疫疾患・加齢と乾燥の増長(口呼吸・開口状態・挿管・発熱・低湿度環境)

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