認知症高齢者の「食べない」「むせる」への対応

座長 野原 幹司先生 大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能治療学教室 認知症高齢者の嚥下リハは「訓練学」ではなく「診断学」である。嚥下機能だけでなく、神経内科、精神科、呼吸器科、循環器科、歯科、耳鼻咽喉科、リハ科、薬学、ときには介助者のスキルやリソース、倫理・哲学を考慮して「どのようなものを、どれだけたべられるか」を総合的に判断する。藤立病院院長 上田 章人先生 誤嚥性肺炎「口腔内や上気道に定着している微生物(常在菌、定着菌)の誤嚥によって生じる細菌性肺炎」誤嚥性肺臓炎「逆流した胃内容物によって生じる化学性肺臓炎」胃癌による胃切除後嚥下性肺炎→食事に関するこれまでの制限をすべて解除し、新たな指導(就寝時のヘッドアップ、食後2時間程度の臥床禁止、就寝前2時間程度は摂取を控える、食べ過ぎない)。びまん性嚥下性細気管支炎(17分岐以降、DAB)→摂食時の誤嚥で異物を繰り返し誤嚥することにより引き起こされる細気管支の慢性炎症性反応。むせや咳嗽・喀痰はあまり目立たず、食後の喘鳴、呼吸困難が特徴的。発熱を伴わない事が多く、伴う場合も短時間で軽快することが多い。持続する発熱は細菌感染を疑う。胸部x線は肺炎を示唆する陰影を欠き、胸部委CTにてびまん性小葉中心性の小粒状影を認める。