嚥下障害リサーチセンター 進行性核上性麻痺の嚥下障害

国立精神神経医療研究センター 山本敏之先生。

1)運動症状と認知機能症状が現れる疾患。リン酸化された4リピートタウオパチー。リチャードソン症候群(易転倒性、眼球障害、体軸緊張性)が一番の疾患でPSP-P,PSP-PAGF,PSP-BS,PSP-PNFA,PSP-Cに分かれる。

2)早期から姿勢保持障害と後方への転倒、体軸性固縮、構音障害、嚥下障害、眼球運動障害をていする。

3)健忘、嗜好の緩慢、皮質下性認知症、前頭葉症状、進行性非流暢性失語、大脳皮質症状、軽度の自律神経障害を呈する。

4)レボドバ製剤またはドパミンアゴニストが運動機能を軽度改善する。

5)MRI画像で中脳被蓋の萎縮でハチドリサインが観察される。進行性核上性麻痺では前頭葉の血流障害が観察される(レビー小体型認知症では主に後頭葉)。

6)眼球運動制限では最初は上下が現れ進行すると水平も現れる。

7)L-ドパを開始し、嚥下障害の改善がある場合は増量を考慮する。

8)姿勢調整や努力嚥下、嚥下調整食の導入などの摂食嚥下リハビリテーションを実施する。

9)進行期には経口摂取の継続及び代替栄養法の導入の是非を考慮する。