認知症の嚥下障害

東京ふれあい医療生活協同組合 梶原診療所所長 平原 佐斗司先生。重度から末期のアルツハイマー型認知症では嚥下障害の出現により経管栄養では1年苦痛が大きく、抹消輸液では2~3月苦痛が少ない(日本)、無治療では数日~1週間苦痛が少ない(米国)。抹消も肺炎管理、褥瘡管理をしっかりしないと苦痛を与える。食べれない時とは、1)合併症によるもの2)認知症の中核症状によるもの3)サルコペニア嚥下障害4)疾患の終末期で治療・リハビリを行うか緩和ケアに移行するかを決定する。高齢者の肺炎は70%以上が誤嚥性肺炎でその理由は多様な脳の疾患により嚥下運動の精密な脳のコントロールが乱れる、やせ・栄養障害により数十ある咽喉頭筋がやせる。低栄養、廃用の影響は少ないと考えられてきたが2019年のポジションペーパーでは特に低栄養が嚥下筋に与える事がわかってきた。肺炎後サルコペニア嚥下障害で経口摂取が不可となる要因1.低栄養や低筋肉量2.慢性消耗性疾患(がん、腎疾患、慢性肺疾患、神経疾患)を背景に持っている。3.肺炎の重症度(脱水、呼吸器障害、意識障害、ショック状態)4.不適切な急性期医療・急性期ケア・リハ・栄養。サルコペニア嚥下障害への対応ポイント1.肺炭管理2.口腔ケア3.早期離床4.適切な輸液管理5.直接嚥下訓練(嚥下時間調整の為薄いトロミで直接訓練開始6栄養管理(異化期:6~15㎉/㎏の低カロリー実際は基礎量を目標、同化期CRP3以下:25㎉/㎏るい瘦があれば30㎉/㎏)7.フリーウォーター プロトコール(食間にとろみのない水を提供と口腔ケア)。