吃逆と嚥下障害

東京曳舟病院 田村 友美先生。吃逆とは原始反射の一種。胎生期に鼻咽頭部の異物を除去するために必要な運動。出生後GABAを介する中枢性の抑制を受け、見られなくなる。健常者でも日常的に一過性に経験する。延髄経由の多シナプス性の不随意反射でミオクローヌスの一種と考えられている。孤束核に入った感覚刺激が延髄網様体にある中枢パターン形成を経て横隔神経、迷走神経へ出力され、それぞれ横隔膜、声門を通して吸気運動と声門閉鎖運動が協調して起こり吃逆が生じる。呼吸筋の間代性痙攣によって急激に吸気が気管内に入り声帯筋が収縮し、閉鎖した声帯を呼気が通過するためヒクッという音声を一定間隔で発する。